「ねえ純子ちゃん、なんかいいことあったと?」
「え…?どうしてですか…?」
「なんや今日は朝から嬉しそうやけん」
「え、わ、私、そんなふうに見えます…?」
「うんうん、見えるよ〜」
「ええと…それはあの…ゆ、夢の事とか…少し色々…思い出したりして…」
「夢?夢って、ゆうべの?」
「は、はい…」
「ふ〜ん、そっか〜」
“いいこと”と言われると心当たりはものすごくあるのだが
それは絶対に口が裂けても言えない秘密であったので
意表を突かれる指摘にしどろもどろになりながら
あからさまに下手な言い訳でごまかそうとすると
性格の良いさくらはそれ以上詮索しようとせず
それどころか「変なこと言うてごめんね」と謝ってまでくれて
――それも決して重くなりすぎない感じで――
最後に心からの笑顔をニッコリ作って会話を終わりにしてくれた。
(あ、危なかった…)
内心ホッとしていると、今度は愛と目が合った。
一部始終のやり取りを見ていた彼女は、口元に笑みを浮かべていた。
そのままこちらに近づいてきて、すれ違いざま――
「今夜もめちゃくちゃにしてあげる」
――と甘い声で囁かれた。
純子はとっくに動いていないはずの自分の心臓が
ドキンドキンと激しく鼓動する音が聞こえるような気持ちがした。
幸太郎のうっかりミスによって、愛のスカートの中では
いわゆるチンコと呼ばれる生殖器官がパンツに収まりきらず
常時はみ出てぶらぶら揺れていた。
彼女がふたなりゾンビィであることは
製造責任者の幸太郎を別にすると純子ただ一人が知っていた。
そして純子と愛が夜な夜な布団を抜け出し
生身には真似のできない激しいセックスを明け方まで繰り返していることは
幸太郎すら知らない二人だけの秘密であった。
*
きっと生きている人間なら
朝から晩までぎっちり詰まったレッスンをこなせば
夜はヘトヘトで風呂に入るのもやっとの状態かもしれないが
なにせ純子も愛もゾンビィなものだから
水浴びを終えたら頭の中はセックスへの期待でいっぱいで
毎晩の消灯時間がとても待ち遠しかった。
幸い皆の寝付きはいつも良く
電気を消して念のため30分くらいも待てば
二人は誰にも気付かれずに部屋を抜け出せた。
「今日はごめんなさい、愛さん…」
「なんでいきなり謝るのよ」
「だって昼間…さくらさんに…」
「ああ、あれ?気にすることないって」
「そうでしょうか…」
「あの子は天然…っていうかたまに変になるでしょう?」
「ま、まぁそれは…」
「それより、二人のときは呼び捨てって決めたじゃない」
「わ、私は…そういうキャラですし…」
「フフフ、すぐにどうでも良くなるくせに」
「そ、そんなこと言わないでください…」
「丁寧語なんて使えなくしてやる」
愛はややぶっきらぼうに言い純子を抱き寄せた。
そして「はふっ」と食べそうな勢いで彼女の口にしゃぶり付いた。
純子もひるまず、むしろ負けじと愛の背中に腕をまわし
同じような勢いで彼女の舌と唇に吸い付いた。
もともと昭和世代の純子にとっては
食べるにしろ飲むにしろいちいちズルズルすするのが標準で
平成生まれの愛と比べて音を立てる行為への抵抗は皆無である訳だが
それにしても彼女の発する『ジュルジュル、ズロロッ』というものすごい音は
とてつもなく下品であり、そしてとてつもなくエロかった。
二人はもつれ合いながら床に転がり
互いの口を激しくすすったまま数回転し
愛が上になったところで止まった。
口を離すと泡立ったヨダレが二人の顔の間でネバァーと太い糸を作った。
愛は息を荒くし純子のネグリジェを脱がして裸にした。
それから自分のダサい縞パジャマは半ズボンだけ下ろし
手っ取り早く尻と性器だけ露出させた。
ブルンと飛び出たペニスは既に完全勃起していて
その根本には重そうな睾丸がゴロンと二つもぶら下がり
それを包んだ陰嚢からは縮れた長い毛が四方に伸びている有様で
愛の体はまさしく完璧なフタナリ仕様だった。
恐らく純子以外にこれを見せたなら――
例えばさくらやサキがこれを見たら一発で即死するだろうし
「あらまあ」と苦笑いで済むのはせいぜいゆうぎりだけ
なにせ愛本人すらこの玉付き毛生えチンコをトイレで初めて見たときは
「なんじゃこりゃあー!!」と館の外まで響く声で絶叫したのだ。
けれども純子は悲鳴をあげるどころか
まるで昭和の女の子がデパートのおもちゃ売り場で
大好きで欲しくてたまらない“魔法のステッキ”を
ショーケース越しに眺めるようなうっとりした視線を
デロンと皮が剥けたエグい“肉の棒”に向けていた。
生前から一貫して処女であった純子は
今やそのグロテスクな生殖器が与えてくれる快楽をすっかり覚え込み
愛のふたなりゾンビィチンコの虜になっていた。
そして愛のほうも同じように
純子の小ぶりで柔らかい微毛ゾンビィマンコの虜になっているのは
言うまでもないことだった。
愛は前戯なしに純子の太ももを左右にガバッと開き
いきなりペニスをズブリと根本まで突き刺し
さっそく腰をカクカク振って出し入れさせはじめた。
ゾンビィの身体は痛覚が無い一方
性感だけはしっかり伝わる実に都合の良い作りで
単純に激しくすればするだけ二人の快楽も高まった。
純子は突かれるたびに可愛い声を発しつつ
「もっとして…もっとして…」とうわ言のように繰り返した。
愛がふと途中でピストンを止め
「“どこ”を“どうして”欲しいのかちゃんと言えたら続けてあげる」
といじわるを言うと、純子はまぶたを開け愛を見つめ返し
「私のおまんこを…愛のおちんぽで…いっぱい突いて欲しい…」
――とためらわずにはっきり答えてみせた。
「わ、分かった…!めちゃくちゃに突いてあげるから…!」
愛は声を上ずらせて彼女を抱きしめなおし
鼻の穴を膨らませ「フンッ!フンッ!」と気張ってピストンを再開した。
純子はすぐに「あんっ!あんっ!あんっ!」という声で反応した。
愛は死ぬ気の全力で腰をカクカクカクカク高速に振りまくった。
生身の人間なら腰椎を粉砕骨折し
翌日から車椅子になりそうな無茶な動作をどれだけ繰り返しても
ゾンビィ同士のセックスなものだから
ただ汗だくになってひたすら気持ちがよくなるばかりで
二人は正常位だけの同じセックスを飽きもせず何十セットも繰り返し
5〜6時間後、外が明るくなりはじめた頃にようやく満足して
足音を忍ばせ部屋に戻り布団にもぐり込み、少しだけ眠るのだった。
*
「ねえ愛ちゃん、今日なんかいいことあったと?」
「は、はぁ?なに言ってんの…?」
「なんや朝からめーっちゃ嬉しそうに見えるけん」
「べ、別になんにもないし…」
「え〜、そうかなぁ〜?」
「あ、あんたこそおかしいんじゃない…?」
昨日の純子と同じ災難がいざ自分に降りかかると
思った以上にしどろもどろでとっさの言い訳が思い浮かばず
とりあえずキツイ物言いでごまかすことには成功したものの
向こうにいる純子に全部聞かれているのが分かっていたから
愛の内心は目玉が飛び出そうなくらい恥ずかしかった。
ほどなく彼女が隣にやってきて
「愛さん、ほっぺ赤くなってますよ」
といたずらっぽく言われた。
「赤くなってないもん…」
プイとそっぽを向くと純子は小さく笑った。
「わ、笑うな…!」
すぐに向き直り小声で怒ると、純子は頷きつつ――
「そうですね。確かに赤くはないですね。
緑色の顔が赤いから、どちらかと言うと茶色ですね。フフフ」
そう言ってまた笑った。
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