基本的に考えることがヤンキーレベルの魔梨威は、
恋人と二人きりになる状況が出来さえすれば、
場所がどこであろうと構わず、すぐにヤリたがる。
例えばみんなと遊びに出かけていて、苦来が「ちょっとお手洗いに…」となろうものなら、
魔梨威は嬉々として「連れション」と自分も付いてゆき、公衆トイレで一発やらかすのである。
しばしば強引な魔梨威の求めに、苦来は基本的に嫌がることもなく大人しく受け入れるのだが、
さすがに「やりすぎかなぁ」と魔梨威自身、冷静なときは反省するものの、
フタナリゆえに性欲が強く、結局は我慢出来ずにいつもと同じ繰り返しになってしまうのだった。
*
楽屋で二人きりになると、お茶を一口すすった魔梨威は湯飲みを置き、
「くくる〜」と甘えた声を出して、彼女を抱き寄せた。
「ちょ、ちょっと待って…」
今まさに大福を食べようとしていた苦来は、一旦その腕をすり抜けて自分のバッグへ向かい、
魔梨威に背を向けて何やら準備をはじめる。
「むふふ」
小鼻を膨らませつつその様子をうかがっていた魔梨威は、
彼女が小さな白い錠剤らしきものを素早く口に入れて飲み込むのを目撃して、サーッと青くなった。
「お、おい、ごめんよ、くくる!そんな、薬でテンションあげなきゃいけないなら、
私なにもしないよ!嫌なら、やらないから!」
振り向いた苦来はきょとんとしていて、やがて魔梨威が何を誤解したのか気が付き、
「いや、あの…薬じゃなくて、フリスク…なんだけど…」
と恥ずかしそうに言って、頬を桜色に染めた。
(か、かわいい…)
魔梨威は思わずドキッとした。
苦来のような娘が、自分の臭いを過剰に気にしている姿は、とても萌えるのだ。
「じゃ、じゃあ、キスしてもいいかい、くくる?」
気を取り直して魔梨威が尋ねると、苦来は彼女のほうに寄ってきて目を閉じ、
ミントの香りをさせながら、唇を近づけた。
「んふぅ…ンチュッ、チュッ、チュッ…」
魔梨威は鼻から息を漏らしながら苦来の唇を吸い、着物の帯を緩めた。
すると、彼女の胸元から乳首が見えた。
「くくる、おまえ、下着付けてないのか?!」
魔梨威が驚くと、苦来は唾液で濡れた自分の唇を舐めながら、
「…うん」と普段通り大人しく答えた。
「ど、どうしてまた」
「だって私…別に背も高くないし、女らしい体付きでもないし…
鮫肌だし…だから少しでも、まりいさんに興奮してもらいたくて…」
「なんだよそれ?!興奮するじゃねえか?!あああ!くくる大好きだあ!!」
健気な恋人の心遣いに魔梨威は感激し、苦来を畳に押し倒し、着物の帯を解いた。
「ご、五分で済むからな?!な、舐められるの、嫌じゃないよな?!」
「別に…いいよ…」
了解を取ると、魔梨威は苦来の太ももを抱え、
鼻息を荒くしながら彼女の股間に顔を埋め性器をベロベロと舐めはじめた。
「あ…あぁぁ…」
どう控えめに解釈してもキレイではない場所を舐められて、苦来は眉間にシワを寄せた。
けれども、その自分にとっての汚い場所が、
恋人の魔梨威をどれだけ興奮させているのかということもまた、理解していた。
だから、がっつくようにベロベロレロレロと性器をしゃぶられて、苦来は切なそうに声を発した。
「もうダメだ、こうしてるだけで出ちゃいそうだよぅ…」
魔梨威は焦って体勢を変え、仰向けの苦来に乗っかるようにして、割れ目にペニスを押し当てた。
苦来の頭を抱いて、自分の耳と彼女の耳をくっ付けるようにした。
すると苦来が、少し興奮した口調で、自ら問い掛けた。
「入れたい…?」
「う、うん、入れたい…」
「入れて、まりいさん…」
苦来が魔梨威の腰を持ち、自分のほうへ押し付けるようにすると、ペニスがヌルンと入った。
「う、うあぁぁ…くくるの中、温かくて気持ちいい…」
「まりいさんのちんぽも、熱くて硬いよ…」
苦来がうっとりしながらあえて淫語を口にすると、魔梨威はそれにひどく興奮し、
「うおおおおっ!!」
と声をあげて腰を振った。
乱暴に突かれた苦来は、
「んっ、んっ、あんっ、あんっ」
と可愛い声であえぎ、それがますます魔梨威を興奮させた。
五分どころか三分と持たずに、あっという間に絶頂しそうになり、魔梨威はペニスを抜いた。
苦来の白っぽい愛液がこびりついたペニスは、摩擦と充血で真っ赤になっていた。
それをネチャネチャと音が立つほど一生懸命しごいて、魔梨威は最後に苦来のお腹の上で精液を出した。
「うぅぅぅ、イクぅぅぅ…!」
「いっぱい出たね、まりいさん…」
苦来は頭を持ち上げ、自分のお腹の上に溜まった精液を見つめた。
呼吸をしてお腹が上下するたびに精液がプルプルッと揺れて、なんとなくプリンが思い浮かんだ。
「ふぅ、気持ちよかった」
すっきりした魔梨威は額の汗を拭いつつ、ティッシュを取って苦来のお腹を綺麗にしようとした。
すると彼女は精液を指に絡め糸を引かせて遊びながら言った。
「ねぇ、まりいさん・・・。こうやって外に出すだけじゃ、避妊にならないことは、
いくらヤンキーのまりいさんでも、知ってるよね…?」
「も、もちろん。てか、ヤンキーじゃねえ!」
「もし私が妊娠したら、お嫁にもらってくれる…?」
「っ、ったりめえじゃねえか!つまんねえこと聞くなよ!」
「嬉しい…。じゃあ、まりいさんの赤ちゃん、産んであげるね…」
苦来はまるでお嫁さんごっこに興じる女の子のように、無邪気に喜んだ。
その言葉には、精神を病んだ人間特有の脅迫めいた雰囲気など、微塵も含まれていなかった。
魔梨威が一瞬どもったのは、嘘を言ったからではない。
ただ、恥ずかしかったのだ。
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